同台経済懇話会

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同台経済懇話会の事業

シンポジウム

創立10周年記念特別シンポジウム

昭和58年5月19日 於椿山荘

同台経済懇話会創立10周年を記念する事業として、目下日本が当面し立ち向かわなければならない重要課題について、会員による問題提起と意見発表を行った。
尚、終了後は関西・東北同台会と合同により、政財官各界からの来賓60名もお呼びして、盛大な懇親パーティを挙行した。

〔第1分科会〕国際情勢と日本の進路
高原友生(57期)

スピーカー高原友生(57期)(伊藤忠商事常務取締役)

Ⅰ はじめに
(1)祖国を思う立場
(2)進路を選択すべき時期
Ⅱ 国際情勢の外的条件
(1)平和共存維持への不安
(2)「強いアメリカ」への復古ムード
(3)地域紛争をめぐる米ソ間の疑心暗鬼
(4)南北問題の「着地点」のなさ
(5)南南問題、中進国の問題
(6)いわゆる資源問題、特に中東情勢
(7)世界経済の停滞と貿易摩擦
(8)自然破壊、生態系破壊の進行
(9)特に極東の軍事情勢
Ⅲ 国際情勢の内的条件
(1)産業構造転換の必要性
(2)高齢化社会への対応
(3)新「日本列島改造論」の必要性
(4)学歴社会改革の必要性
(5)政治制度改革の必要性
lV 日本の進路
(1)「世界の平和」と「自由貿易」の理念
(2)自主独立か同盟加入か
(3)二つの戦略指向選択
(4)同盟の積極性の度合
(5)自主同盟、ハリネズミ戦略
V 結言と提案
(1)専守防衛力増強 (2)開発途上国援助 (3)西太平洋経済圏の育成 (4)あっせん外交の展開 (5)情報国家への成長 (6)四海同胞の精神
〔第2分科会〕日本の産業経済のあり方

スピーカー伊従正敏(59期)(日野自動車販売社長)

Ⅰ はじめに一われわれの視点
Ⅱ 日本経済当面の状況
Ⅲ 日本産業経済の変貌と展望
Ⅳ 日本農業の位置と展望
Ⅴ 金融自由化と金融政策の方向
Ⅵ 残された問題
Ⅶ 結び一われわれの覚悟と提言
〔第3分科会〕日本の教育のあり方
堀越克明(52期)

スピーカー堀越克明(52期)(堀越学園理事長)

Ⅰ 日本の教育のあり方
Ⅱ 道徳規範
Ⅲ 入試の改善
Ⅳ 教師の問題
Ⅴ 家庭教育・家庭のしつけ
Ⅵ 21世紀に生き得る日本人を作る
Ⅶ その他
Ⅷ 山下奉文将軍遺言書
Ⅸ 日本人の道
Ⅹ 結び
〔第4分科会〕日本の安全保障のあり方
松金久知(53期)

スピーカー松金久知(53期)(東北方面総監-日本製鋼顧問)

総論
第1.現状と課題
Ⅰ 抑止の戦略概念
1.力と交渉による平和の維持
2.軍事的抑止の構造
3.軍事と非軍事の関係
4.政治のリーダーシップ
Ⅱ 国際環境の構造的な変化
1.時代の認識と戦争観
2.日本の国際的地位の向上と日米関係
3.変質する日米安保体制
Ⅲ 国防体制の現状と問題点
1.国家としての安全保障の基本が曖昧である
2.国防を保障するに必要な基盤の整備は無きに等しい
3.国家戦略と国防機構上の諸問題
4.自衛力及びこれを支える国防基盤の現状
5.防衛費は高すぎるか
第2.安全保障のあり方
Ⅰ 国防の理念
1.何を守るか
2.どうすれぱ守れるか
3.脅威の認識
4.ひとりで守れるか
Ⅱ安全保障の基本的あり方
1.国際環境の見方
2.国をあげての防衛
3.直接侵略に対する防衛
4.日米同盟
5.アジア及び世界の平和への貢献
6.交渉による平和の維持
第3国防政策への提言
Ⅰ 国防に関する国民的合意の形成
Ⅱ 国家安全保障会議の設置
Ⅲ 「防衛計画の大綱」の改訂
Ⅳ 核政策の明確化
Ⅴ 連合、統合の指揮、情報組織の常設一C3&1 の整備
Ⅵ 防衛庁の国防省への昇格
Ⅶ 国としての即応態勢の整備と民間防衛の組織化
Ⅷ 国防コスト意識の改革一3% の安全保障費

結語
  参考資料
    抑止戦略と非核政策
    -非核三原則の背景と見直し-

特別シンポジウム「ホロコーストからユダヤ人を救った日本」
 第1回昭和13年「五相会議」決定-『ユダヤ人対策要綱』の検証

平成12年9月13日 於大手町サンケイ会館5Fホール

『ホロコーストからユダヤ人を救った日本』の第1回「特別シンポジウム」は、平成12年9月13日(水)午後1時より大手町サンケイ会館5Fホールに300余名の参加者を集めて、盛大に実施された。第1回の主題は、昭和13年「五相会議」で決議公布された「ユダヤ人対策要綱」の精神と、策定の経緯、内容および決定後の政府の行動についての歴史的事実の検証である。

〔講師とテーマ〕(敬称略)
  1. (1)オープニングメッセージ

    ◎日本の肇国の精神、国是は人種平等と民族の共和共存
      日本会議国際広報委員長・筑波大学名誉教授竹本忠雄

    ○スピーカー(メイン講演)

    ◎五相会議『ユダヤ人対策要綱』決定前後の外務省の対応
      外務省外交史料館白石仁章

    ◎『ユダヤ人対策要綱』策定に関する関東軍、陸軍省、参謀本部、満鉄などの組織と人事および人間関係
      防衛研究所戦史部庄司潤一郎

    ◎陸軍におけるユダヤ問題の責任者安江大佐の活動
      現代史研究会安江弘夫

  2. (2)コメンテーター

    ◎ユダヤ人援助に活躍した日本人と戦後のイスラエルの感謝
      日本イスラエル商工会議所会頭藤原宣夫

    ◎日本の現代の歴史を正しく残し伝えよう
      元高千穂商科大学教授、評論家名越二荒之助

    司会…同台経済懇話会常任幹事・元サンケイ新聞社取締役野地二見

〈共催〉
日本会議国際広報委員会・軍事史学会・日本イスラエル商工会議所・同台経済懇話会

〔第1回の趣旨と目的〕

第2次大戦中、リトアニア駐在の日本領事代理の杉原千畝氏が、きびしい事態の中で、ポーランド系ユダヤ人数千人にビザを発給してその命を救った事実は、ようやく世界各国の注目を受ける状況になっていることは誠に喜ばしいところである。しかし、この臨機応変の勇気ある行動は、単に彼個人の考えや善意によって発動されたものではなく、基本的には、日本政府のユダヤ人のみならず世界の各民族に対する平等の思想と政策に基づいたものだったのである。
このシンポジウムは、杉原千畝氏ほか在欧各外務公館において、ユダヤ人に対しビザを発給してユダヤ人の脱出を助ける源となった日本政府の政策-昭和13年12月当時の最高国策会議であった「五相会議」において決定公布された『ユダヤ人対策要綱』について-その策定の経緯や決定公布後の実態について検証していくことにする。
このシンポジウムにより、国際社会に対しては、大正7年(1918年)第1次大戦後のパリ平和会議で国際連盟に対し、人種平等の提唱をし、また満州における五族共和の新国家建設を目指した日本の一貫した思想と政策と、それを動かし、その実行に誠心努力した日本の先輩の人たちのことについて、その真実が研究発表され、認識されることを期待する。
そして戦後の誤った史観を正し、日本人の誇りを取り戻し、今日、南京事件を程造して、日本がドイツのホロコーストと同じような虐殺を犯したというような国際的反日キャンペーンに対し、断固たる態度をとるとともに、日本人が肇国の昔から世界の和を唱え、人種差別を排し、全民族の融和共存を基本的な思想として進んできたことを世界の人々に知らせる努力をせねばならない。

〔第1回における特筆すべき成果〕
  1. (1)「五相会議」における「ユダヤ人対策」(要綱)の策定・提案の過程と決議後の政府の行動が、より明確に発表されたこと。(白石氏・庄司氏の発表から)
  2. (2)杉原リトアニア領事代理が、ビザを発給するのは、昭和15年7月〜9月であり、前年に赴任しているから、この要綱の内容については、当然、訓令により熟知していたわけである。
  3. (3)安江大佐の活動と功績について(安江講師並びに庄司講師の発表から)
  4. (4)名越先生は周到に用意された30枚に及ぶスライドを大型スクリーンで映しながら、本日のシンポジウムの内容の個々の場面に、写真によってさらに具体的な説明を加えられた。
  5. (5)最後に司会者は、次の「SAPIO」(2000年3月8日号)の特集《ユダヤ人救出作戦こそ日本の誇り》のフロントページに書かれた編集者のコメントを紹介。

特別シンポジウム「ホロコーストからユダヤ人を救った日本」
 第2回ユダヤ人の救出・保護に尽くした日本人-「杉原ビザ」-の真相

平成12年12月13日 於大手町・サンケイプラザ3F

日本会議国際広報委員会・軍事史学会・日本イスラエル商工会議所・同台経済懇話会の四団体主催による「第二回特別シンポジウム」は、9月13日の第一回の開催に続き、12月13日(水)午後1時30分より4時30分まで大手町・サンケイプラザ3F会場において満員の参加者により盛大に開催された。

〔第2回の趣旨と目的〕

第1回のシンポジウムにおいては、日本はドイツとの間に防共協定を結びまた、日独伊三国同盟により提携を強めている時代にあっても、肇国の理想である八紘一宇の理想と、人種差別のない民族平等の思想を貫いていた歴史的事実を検証した。
昭和13年12月6日、時の国家政策最高会議である「五相会議」において『ユダヤ人対策要領』を制定して公布。翌日直ちに在外公館にも訓令され、また陸海軍各司令官にも下達された事実も確認した。
第2回のシンポジウムにおいては、この訓令を付し、リトアニアの杉原領事代理をはじめ官軍民各界の日本人が執拗なドイツのプレッシャーの中でいかに勇気をもって多くのユダヤ人を救ったのかの実態とその精神を検証していく。
これらの日本人の行動は、世界に誇るべきものであったことが実証されるだろう。
ただ、世上一部の人に、特定の個人の美談として強調したいために、国や軍はドイツと組んでユダヤ人を虐待しようとしていたという事実無根の説を流布して、反日キャンペーンに与している者がいるのはきわめて遺憾なことである。この2回にわたるシンポジウ ムによる事実の検証により、このような事実を偽る言動を終息させたいものである。

〔講師とテーマ〕(敬称略)
  1. (1)当時の世界各国のユダヤ人への対応と特に日本の対応について 評論家加瀬英明
  2. (2)杉原領事代理のピザ発給の真相について

    ◎杉原ピザ発給と外務省との交信(資料・外務省外交史料館報による)
      評論家加瀬英明

    ◎キュラソービザの秘密

    ◎杉原氏のビザ発給の背景についての新しい研究発表
      元オランダ駐在大使大鷹正

    ◎戦後の外務省のリストラ人事の実情
      日本イスラエル商工会議所会頭藤原宣夫ほか

  3. (3)ユダヤ人救出・援助に活躍した日本人

    ◎樋ロハルピン機関長の決断と関東軍
      防衛研究所戦史部庄司潤一郎

    ◎ポーランドから日本へ、そして日本での友情
      (イスラエル生存長老の回顧の旅・ビデオ上映)
      解説…日本イスラエル商工会議所会頭藤原宣夫

  4. (4)シンポジウムの総括

    日本会議国際広報委員長・筑波大学名誉教授竹本忠雄

    閉会の挨拶
      同台経済懇話会野地二見

〔第2回の注目すべき発表内容と成果〕
  1. (1)冒頭の加瀬英明先生の講述は、「第1回シンポジウム」の内容をフォローするとともに「第2回シンポジウム」の目的と内容全般にわたる明解な解説であった。
  2. (2)杉原発給のビザはオランダ領事の偽の行先証明のビザだった
    -杉原ビザの真相が具体的に初発表された- 元オランダ大使・大鷹正講師の発表
  3. (3)杉原領事代理と外務省のやりとり(外務省外交史料館広報から)
  4. (4)杉原氏が叱責を覚悟してビザ発給に踏み切った背景について -元オランダ大使・大鷹正講師の見解発表-
  5. (5)樋口ハルピン特務機関長の活動
  6. (6)イスラエル商工会議所藤原宣夫会頭の提示した諸文書と、秘蔵の「ビデオ」の上映
  7. (7)格調高い総括
    -竹本筑波大学名誉教授-
    竹本忠雄講師は、日本会議国際広報委員長として、国際社会に対して日本の正しい歴史的事実と、日本の文化・精神を理解させる運動を推進しておられるリーダーでもある。 この2回にわたる「シンポジウム」における諸講師の発表によって『杉原ビザの真相』と、とくに『外務省の杉原氏への対応』の実態が、歴史的事実として正確に検証されたことを高く評価された。また、このようなユダヤ人への対応を生んだ日本と日本人の文化と思想の素晴らしさに誇りを持ち、戦後の日本が受けている逆差別と悪意に満ちた思想的攻撃に対し、断固として対抗すべきであることを強調し、あらゆる手段と量をもって、説得していかなければならないことを要請された。
  8. (8)司会者の閉会のあいさつ
    今世紀の世界の出来事の中で最大のものは『人種差別のない世界が出現されつつあることだ』『その推進の源は日本の文化と自らの命を捧げて戦った日本人のもたらしたものである』。加瀬先生はこのように繰り返し強調されている。
    この二十世紀の最後の秋に、このような日本と日本人の真の心と行動を検証し、理解することができた素晴らしい内容のシンポジウムを成功裡に開催できたことを、最後まで熱心に勉強していただいた皆様方ととも最大のよろこぴとしたい。
    新しい世紀に向かって、私たちはさらに日本の真の姿を世界に理解してもらう努力を共に渾身の勇を揮って続けていきましょう。

特別シンポジウム「イラク作戦研究」

〈RMAと産業界〉同台経済懇話会がシンポジウムを開催した趣旨

RMAは何もこのイラク作戦で始められたわけではない。オーバーに言えば、人類の戦争はその昔から、絶えずRMAで勝敗を競い、民族や国家が栄枯盛衰を繰り返して来たと言える。
 20世紀後半の世界の産業の大躍進、国際交流の発展は、第二次世界大戦に於ける軍事革命が基盤となってもたらされたものであり、戦略と作戦・産業と物流を合体して、進んだシステムを仕上げつつ戦ったのがアメリカだったのである。
 戦後の日本も、その第二次大戦に於ける総合的なRMAの成果を、経営の中に取り込んで、復興と発展に励んで来た。ある程度対等に戦えるだけの戦力と頭脳を持っていた日本は、戦後その人的資源とRMAのシステムやノウハウを、民需生産に集中することによって、世界が目を見張る躍進を遂げたのである。
 第三次大戦ともいうべき米ソの冷戦、朝鮮・ベトナム戦争をはじめとする各地での紛争、そして湾岸戦争の経験のなかで、各国は絶えず兵器の開発と改良に力を注ぎ、特に宇宙・航空・情報・ミサイルの分野での発展は驚異的なものになりつつあった。更に湾岸戦争後のアメリカの軍事全般に亘る強烈な取り組みは、まさに革命と言うのに相応しい突出した前進・展開であった。
 実は産業界でもこのRMAについてはかなり以前から注目していた。むしろ生産に於いても経営に於いても大きな影響を受けつつあったのである。それは一つ一つの兵器の性能を、極限まで向上させることだけでなく、それを運用する陸・海・空統合の作戦目標達成のため、あらゆる要素の画期的な進歩を産業界にも求めていたからである。特にIT関係や通信機・精密機械・光学機械関係から始まり、化学・医薬分野に広がり、原材料のレベルにも厳しい要望が出るようになっていた。そしてこの革命は、トヨタの看板方式や、クロネコヤマトの輸送方式までも動員するところまで進んでいたのである。
 今回のイラク作戦では、初弾閃光の瞬間の映像から、決定的な違いを見せつけられた。そして想像以上の短期間で初期の作戦目的を達成した。世界はその破壊と恐怖の威力に驚転した。
 第二次大戦を戦って生き残り、産業界に於いて戦後の復興に励んできた私どもの同台経済懇話会は、RMAの成果であるこの作戦のとてつもない大規模な変化の実態を正確に詳細に把握したいと希望した。そして会員でもある元陸幕長の冨澤さんに、陸海空の専門家による研究発表のシンポジウムの開催を依頼した。この研究から得られるものが、純軍事的なもののみでなく、あらゆるビジネス界、行政や教育の分野に至るまで、極めて大きなものになるだろうことを確信していたからである。
 そして、戦争は戦闘のみではないということを、この作戦の研究と、その後のイラクの状況から学ばれることも、更に深く大きな意義あるものになるだろうと期待している。

同台経済懇話会代表幹事 山本卓眞

※なお、このシンポジウムの報告書は平成16年夏に出版された。

同台経済懇話会・特別シンポジウム イラク作戦研究 -軍事革命(RMA)の実態を見る-
Ⅰ . 開催日時:平成15年8月1日(金)1300 〜 1630
Ⅱ . 場所:アルカデイア市ヶ谷3F大会場
Ⅲ . 内容・項目
  1. 1. 第1 部: 1315 〜 1445

    (1)イラク作戦の基本概念としてのRMA(軍事革命)または間接アプローチ

    (2)作戦経過概要(作戦準備からイラク全域占領まで)

    (3)圧倒的制空権と精密誘導爆撃そしてNCW(ネットワーク中心の戦争)

    (4)人間情報と心理戦

  2. 2. 第2 部: 1500 〜 1630

    (5)対地攻撃基盤としての海上部隊

    (6)騎兵的運用を実施した陸上作戦

    (7)統合連合・後方支援

    (8)今後の課題と日本の安全保障への提言(質疑応答を含める)

Ⅳ . 報告・討論者
岡本智博  元・統合幕僚会議事務局長・空将(防大11 期)
ソ連駐在武官(86 〜 89 年)(1)(3)(8)担当
冨澤暉  元・陸上幕僚長・陸将(防大4 期)
米国機甲学校留学司会及び(1)(以4)(6)(8)担当
中村好寿  元・防衛研究所主任研究員・1陸佐(防大9 期)
スタンフォード大学院生・米国国防大学客員研究員
ジョージア工科大学客員教授(1)(6)(8)担当
古澤忠彦  元・横須賀地方総監・海将(防大8 期)
米海軍水上艦艇戦闘士官学校留学(5)(7)(8)担当
Ⅴ . 総合レジュメ
  1. 1. イラク作戦の基本概念としてのRMA(軍事革命)または間接アプロ一チ

    (1)イラク作戦を表現する言葉(冨澤)
    「イラクの自由」作戦・「衝撃と畏怖」作戦・「効果に基づく」作戦・「ネットワーク中心の」作戦・「麻痘戦」・「電撃戦」・「軍事革命・RMA」

    (2)クラウゼウィッツ・リデルハートからみたRMA(冨澤)
    A. リデルハート・フラー・グーデリアンの電撃戦(麻痩戦)一間接アプローチ
    B. クラウゼウィッツの言葉
    1 編1 章2「戦争とは相手にわが意志を強要するために行う力の行使である」
    1 編1 章24「戦争は他の手段をもってする国家政策の継続に他ならない」
    8編4章「戦争においては、あらゆる力をもって敵の重心を打撃しなけれぱならない」
    C. イラク戦での政治要求とウオーデン空軍大佐の「打撃すべき重心」。

    (3)情報型軍事革命(RMA)とは何か(中村)
    A. 戦いの性格…・麻痘戦cf:(消耗戦)
    B. 戦いの形態
    ・情報戦/ 機動戦(火力戦)
    ・戦場全域に同時の戦い(前線付近の戦い)
    ・時間次元の戦い(面次元、空間次元の戦い)
    C. 運用原則
    ・奇襲/ 機敏性の原則 (集中の原則)
    ・「要」攻撃(主力部隊を攻撃)
    ・同時攻撃 (段階的攻撃)
    D. 決定的兵器の特色
    ・各兵器システムを統合化したシステム(兵器システム)
    ・C41 兵器 (火力兵器)
    ・精密誘導兵翠(広域殺裁破壊兵器)

    (4)イラク戦基本概念としてのRMA(岡本)
    A. 技術と戦術について…戦理は不変、戦術は可変
    B.1980 年代のソ連軍戦車戦術…全縦深正面突破無停止攻撃
    C. イラク作戦に見られた戦術…IT技術の軍事分野への取り込み
    ・全縦深目標直撃無停止攻撃(複数作戦同時敢行戦略)
    ・パラレル・ウオー戦術(複数目標同時並行攻撃戦術)
    D. 中村氏の見解との相違点

  2. 2. 作戦経過概要(作戦準備からイラク全域占領まで)(冨澤)
    ①全般地形 ②作戦開始前の作為 ③両軍の編成と展開 ④予測より早かった攻撃(爆撃)開始 ⑤ 3D の迅速な進出と英軍のバスラ包囲 ⑥ 4 日間の足止め ⑦バグダッド南方での共和国防衛隊との戦闘 ⑧バグダッド進撃・包囲・進攻・突入・陥落 ⑨バスラ制圧 ⑩北部戦線の状況 ⑪キルクーク・モスル・テイクリート陥落
  3. 3. 圧倒的制空権、精密誘導兵器、Network Centric Warfare(岡本)
    (1)制空権獲得フェーズ…「デザート・フォックス」作戦
    (2)衛星誘導兵器の出現(JDAM)
    (3)終末精密誘導兵器の出現(レーザー・デジグネーター)
    (4)ネット上の作戦会議…一例としての作戦計画「1003V」
    (5)Just in Time 方式の後方
  4. 4. 人間情報(ヒューマン・インテリジェンス)と心理戦(冨澤)
    ①アフガン戦争での米軍唯一の反省 ②人間情報の意義(技術的情報との比較) ③特殊部隊とエイジェント ④作戦開始前から始められた心理・広報戦と軍事作戦の相関関係
  5. 5. 対地攻撃基盤としての海上部隊(古澤)
    (1)湾岸戦争の教訓
    (2)冷戦崩壊後の米海軍戦略
    ① The Way Ahead ② From the Sea ③ Forwad From the Sea ④ Joint Vision 2010 ⑤ Sea Power21
    (3)海上部隊の作戦
    ①海上主要部隊の展開 ②第1 海兵遠征部隊1MEF の進攻作戦支援 ③空母機動部隊GVSG の作戦……・その特性・その構成・その展開と作戦
  6. 6. 騎兵的運用をした陸上作戦
    (1)騎兵的運用とは何か(冨澤)
    ①騎兵とは先遣部隊専門部隊・前さばき・条件作為部隊 ②装甲騎兵と空中騎兵 ③陸軍の新ドクトリン「a. 条件作為作戦b. 決定的作戦c. 作戦の維持増進」のa. を 担当するもの、今回の作戦はa. だけでほぽ決定してしまった。 ④情報・機動・柔軟迅速反応・多兵種協同・多用途……RMA・間接アプローチ
    (2)「衝撃と恐怖」作戦を巡る論争(中村)
    A. 作戦の特質
    ・スピードと機敏性を重視した機動戦cf:(火力戦)
    ・ネットワーク中心の戦い(プラットフォーム中心の戦い)
    ・精密誘導兵器の大量使用(広域殺傷破壊兵器の大量使用)
    ・戦域全般にわたる同時並行攻撃(国境からの段階的攻撃)
    ・特殊部隊の大規模投入(大規模兵力の投入)
    B. 投入兵力規模を巡る論争・論争の内容・論争の評価
    C. 兵姑活動を巡る論争・論争の内容・論争の評価
    D. 市街戦を巡る論争・論争の内容・論争の評価
  7. 7. 統合連合・後方支援(古澤)
    (1)各国の対応と作戦支援
    ①共同参加・支援国 ②支持国 ③反対国
    (2)統合後方支援
    ①迅速・効果的な作戦のための後方支援 ②統合輸送システム ③補給システムのRML
  8. 8. 今後の課題と日本の安全保障への提言(各報告者・各5 分、会場からの質疑20 分)